農地の譲渡や用途変更には農地転用の手続きが必要です
農地法に違反して勝手に農地に住宅を建てるなどはしてはいけません。農地法64条により3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられることがあります。
また、無許可で造成した場合には原状回復を求められたり、売買で生じた権利の移動が無効になるなどの措置が取られる可能性があります。
第六十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。 一 第三条第一項、第四条第一項、第五条第一項又は第十八条第一項の規定に違反した者 二 偽りその他不正の手段により、第三条第一項、第四条第一項、第五条第一項又は第十八条第一項の許可を受けた者 三 第五十一条第一項の規定による都道府県知事等の命令に違反した者
ご自身の所有する農地であっても用途を変える場合には適切に許可(届出)を行う必要があります。
書類作成報酬(税込)
報酬 | |
農地法3条届出 | 35,000円~ |
農地法3条許可 | 65,000円~ |
農地法4条許可 | 105,000円~ |
農地法5条許可 | 125,000円~ |
非農地証明願 | 65,000円~ |
農地法による制限
農地法は国内の農業生産の基盤である農地が農地以外の利用をされる事を規制し、効率的に利用する事で国内の農業生産の増大を図り、食料の安定供給の確保を目的としています。
そのため、自分の所有地であっても農地を許可(届出)なしに宅地や太陽光発電などに使う事はできません。
農地の所有権の売買
農地を世代交代で子供等に譲渡する場合に該当します。
他にも農業を始めたい人や近隣の農家の方に譲渡する場合など、用途は農地のままで所有権の譲渡をしたい場合にあてはまります。
第三条 農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。
用途の変更
ご自分の農地に家を建てたい場合に該当します。
農地の所有権は変えずに用途を宅地や太陽光発電などに変更する場合にあてはまります。
第四条 農地を農地以外のものにする者は、都道府県知事(農地又は採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に関する施策の実施状況を考慮して農林水産大臣が指定する市町村(以下「指定市町村」という。)の区域内にあつては、指定市町村の長。以下「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。
所有権の売買と用途の変更を併せて行う
農地の売却と同時に用途を変更する場合に該当します。
高齢で農業を続ける事ができないが後継者がおらず、売却と併せて宅地に用途変更する場合に該当します。
第五条 農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。次項及び第四項において同じ。)にするため、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、当事者が都道府県知事等の許可を受けなければならない。
届出と許可
農地法では大きく「市街化区域」とそれ以外に分けて農地を扱います。
「市街化区域」とは「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」のことをいいます。
農業より市街として整備を進めているエリアなので、『届出』を出すことにより用途変更できます。
転用をお考えの農地が「市街化区域」であれば、『届出』という簡易な手続きで転用ができますが、「市街化区域」ではない場合には『許可』を求める『申請』になります。
※届出は必要な要件を満たしている場合に行政庁の判断なしに完了します。
許可は申請を受けた行政庁の判断により「許可」、「不許可」となります。